厳格な戒律の「グランド・シャルトルーズ修道院」、監督が映画取材を申し込んだら「まだ早い」と断られ、「準備が出来た」と返事が来たのが16年後だった!という気の遠くなるようなプロジェクトである。許可の条件として、
・監督一人だけ内部に入る
・照明を使わない
・BGMやナレーションを付けない
ということだった。
その結果、もちろん演技も何も無く淡々と日々と季節の流れだけが延々とスクリーンに映し出されるというすごい映画である。
場所はフランスでもスイスに近い山麓にぽつんと立てられた修道院である。
あらすじは・・・・何も無い(笑)それが約3時間も続く!
朝から晩までの修道士の行動を撮っている。もともと戒律の厳しいところなので、修道士は多くの時間をお祈りに捧げている。そのため我々観客はずっとそのお祈りに付き合うことになる。修道士全員で唱えるグレゴリアンチャントのような部分は歌声が聞こえるのでまだいいが、一人でお祈りしてる場面は本当に無音(大いなる沈黙)なので、客席もシーンと静まりかえったままの緊張が続く。当然いつまでもその緊張を持続出来るはずもなく、客席のあちこちで寝息とイビキが聞こえてくる(笑)
私も「あちら側」に行かないように必死にこらえるのだが、いつのまにか失神状態(^^;) 願わくば私が大きなイビキを発していなかったことを・・・m(_ _)m
私が覚えてるのはお祈り以外は、何度も出てきたバリカンの散髪くらいか。起承転結が無いのだから、1時間半くらいでもよかったのではないかと思う。
廊下の奥の方はゴシックのようだったが、ほとんど華美な装飾はなかった。
ところで、facebookの友人からこの修道院がリキュールで有名なのを教えて貰った。
シャルトリューズ・ヴェール
緑色はアルコール度数55%の強い薬草酒
シュルトリューズ・ジョーヌ
黄色はもう少しアルコール度数40%と下げて飲みやすくしたもの。どちらも作成方法は門外不出のようで、映画の中でも酒に関する映像は皆無だった。いっぺん黄色でも飲んでみようかな・・
評価:★★
★ 金返せ
★★ マニアな人のみ見て下さい
★★★ 何度も寝ましたがまあまあ
★★★★ なかなかエエんちゃうん!
★★★★★ ワンダフル!Don’t miss it!
非常に特殊な映画なので特殊なマニアの方にしかお勧めできない(^^;) 私が見たのは朝イチだったけど、立ち見も出来るほどのすごい人気だった。みんな満足して帰られたのかはなはだ疑問であるが。
撮影が2005年くらいだそうだが、ときどき解像度の悪い画像があった。今なら監督1人でも操作がしやすいデジタル一眼レフで撮ったらもっと美しく撮れたかも知れないと思うとやや残念である。