アジア杯決勝戦の講評

昨夜は歓喜の瞬間まですべて見たので今日は眠い・・・

得点が入るまでちょっとイマイチな展開が続いたので思わず寝そうになったことも事実だ。そんな中、李のパーフェクトなダイレクトボレーが決まり目が覚めた。しかし、ちょっと待てよ、なんで李があれだけどフリーだったのか??オーストラリアDFをうまく振り切ったのか?ビデオで検証してみた。

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まず切り込んだ長友がいったん前進をあきらめ、後ろの遠藤にバックパス。その遠藤からもう一度長友にパスした瞬間である。前線には左から長友、岡崎、李がいる。これに対してオーストラリアDFは岡崎、李に一人ずつマンマーク、そして長友には一人対応しにいってもうひとりはカバー役で控えているので守備としては特に問題はない。

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一度スローダウンした長友はDFが寄ってきて足を出してくるのを待つ。

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DFが寄ってきた瞬間に一挙にスピードアップ!この時点で李は特に走ってるわけでもなく少しずつゴールに向かって歩いてる状態でDFを振り切ったわけではない。その証拠に、

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李をマークしているDFはチラっと後方を見て李の位置を確認しているのがわかる。

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苦しい体勢からクロスを上げる長友

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ボールは先ほどのDFの頭上を越え、どフリーになった李のところへ・・・

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美しすぎるボレーが決まり、ゴーーーール!

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俯瞰の場面でもう一度検証。

李に付いていたDFは思いがけない長友の突破にあわてて李のマークを離してでもゴール前のスペースを埋めようとしたのだろうか。それとも延長で頭がボーッとしててマークのことを忘れてしまったのだろうか?もとを正せば延長後半だというのに長友の驚異的なスピードによる突破力がDFを思わぬ行動を取らせてしまったことが原因であることには間違いない。まあいずれにしろ李が巧にDFを振り切ったのではないことがわかった(^^;)

ついでに李のボレーも検証。今回キーパー真正面、そしてシュートを打つことがあらかじめ予想された状況なので、カメラマンも真正面から綺麗にシュートシーンを捉えることに成功している。スーパースローでこれだけ完璧にダイレクトボレーのシュートの場面を見れるのは珍しいのではないだろうか。

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空中のボールをそのまま蹴ろうとすると、99%ゴールのはるか上空を飛び越えてしまう(いわゆるホームラン(^^;)それは地上にある足をそのまま高く振り上げて蹴ってしまうため、力のベクトルが上を向いてしまうからだ。それを防ぐためには、膝を折りたたんだ状態で膝頭をまず水平にまで持ち上げることが肝要である。

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そのまま膝を動かさず、膝下を水平に振れば枠に飛んでいく。彼の姿勢は惚れ惚れとするほど美しい~

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すごい衝撃のため、一瞬ぐにゃりと足関節が変形してるのがわかる。スゴい!

さてマスコミの盛り上げようとはうらはらに、私はオーストラリアには勝てないと思っていた(^^;) 今回思いがけなく勝てたのは、オーストラリアが身長差を活かして空中戦ばかりを仕掛けてきたからではなかろうか?中盤でのボール支配は充分日本を圧倒していたのに、なぜか最後の最後では空中戦というどこにこぼれるかわからない不確定要素が強い勝負方法を取ってきたのだ。私の韓国戦の講評では日本の守備陣の連携が不安と書いていた。スペースをついて裏にスルーパスを出してこられたり、ドリブルで仕掛けられると日本の守備にはほころびが出るが、空中戦の場合はあらかじめ敵のいる場所が分かっているので割りと対処しやすかったのではないかと思う。

最後にこの試合での「がっかり君」を二人。韓国戦でのがっかり君は、ガムをくちゃくちゃ噛みながら同点FKを献上してしまった本田タクヤだったが、今日の第一がっかり君は香川の代役として抜擢された藤本である。彼にボールが渡ったときはいつも横か後ろにしかパスしなかった。せっかく掴んだ先発なんだからもっとドリブルで攻撃的に行かないと次に使ってもらえないよ~ 第二がっかりは同じく右サイドの内田。彼も判断が遅く苦し紛れのパスを出しても敵に囲まれた味方にパスを出しているので、いつもカットされてしまう。チームメイトもそれをわかっているのか、右サイドが空いているのにボランチはいつも左にパスを出していた(笑)

ということで松井や香川のような自分で斬り込んでいくFWが不在だとどれだけシンドイ試合になるかよくわかった。そしてその穴を埋める選手もなかなか見当たらないようだ。ザッケローニの苦しい采配はこれからも続くだろう・・・・ 

[tegaki]とりあえずは優勝に乾杯~[/tegaki]