封切りを楽しみにしていた「猿の惑星 創世記」を見てきた。夜遅い時間帯なのにかなりの入りだ。年代層からしてオリジナルの「猿の惑星」を見たことが無い客のほうが多そうだ。 もちろん私は小学生の頃にこのオリジナルを見ていて(ただし淀川長治の日曜洋画劇場(^^;)、衝撃のラストは今でも鮮明に覚えている。
オリジナルでは、特殊メイクで演じているがこれはこれで当時すごく驚かされたものである。
今回の映画は、「なぜ地球が猿に惑星になってしまったのか?」に対する解答編とも言える。あらすじを書くとネタバレになってしまうので書かないが、予想以上に面白かった。オリジナルを知ってる世代も知らない世代も楽しめると思う。ただオリジナルにつながる布石はここかしこにちりばめてあるので、私以上の世代のほうが圧倒的に楽しめるはずだ(笑)
脚本もさることながら、スゴい!と思ったのは猿の表情、特に眼の表情である。この映画の猿は人間が特殊メイクをして演じているのでは無く、モーションキャプチャでのフルCGらしいが、手足はともかく眼の表情なんてキャプチャできるのか??と不思議に思えてならない。猿にはセリフが無いだけに「目力 めじから」だけが演技の生命線だ。マブタの細かい動き、視線の動かし方、細かいことまで言えば瞳孔まで本当に素晴らしい。モーションキャプチャのフルCGといえば「アバター」を思い出すが、あのときよりも心の機微を表現するためにCGをうまく使ったのが成功している。アバターは3Dの方面にパワーを割いていたが、この「猿の惑星」は2Dにもかかわらず、これみよがしの3Dよりもずっと感情移入できるのではないかと思う。
この映画の主題は「自我の目覚め」であるが、このテーマはこれまでの映画でも多く取り上げてきている。
コンピュータの自我の目覚めなら
「2001年宇宙の旅」のHAL
ロボットの自我の目覚めならロビンウイリアムスの「アンドリューNDR114」
ハーレイ君の「A.I.」
これらはすべて私の好きな映画だ。こうやってみると自我の目覚めを扱った映画には名作が多いのではないだろうか~
さて本題に戻り、猿の惑星を見るに当たって2つだけお楽しみポイントを。
1.途中で「火星に向けてロケット打ち上げ」というニュースが少しだけ流れる
2.映画が終わってエンドロールが流れはじめ、終わったのかな?と思ったらまだまだ最後の仕掛けが!これがなかなかブラックで座布団進呈したいエンディングだったのでお見逃し無く
評価:89点!