PDKは御存知の通り、奇数・偶数のギアを2列に配置しておき、使ってない側のギアは次の行動を予測してあらかじめ噛み合わせておくというシステムである。たとえば4速で走ってるとき、「この運転手は加速中だな」とPDKが判断したら、奇数列はあらかじめ5速がセットされるだろうし、減速中なら3速がセットされるというものだ。
結果として瞬時にシフトチェンジが完了する・・・はずである(^^;)
だが私のような特殊な(?)使い方では、もひとつその恩恵を感じられないし、Tipよりも使いづらい場面もあるのだ。
以下はTipの頃からの私の運転パターン
・よほどの事がない限り、エンジンを掛けたデフォルトのモード(以下オートと略)のままで運転する。フロアのシフトレバーを操作して恣意的にマニュアルモードで走ることはほとんどない。
・しかしステアリングのシフトスイッチ(以下スイッチと略)を操作するのは大好きである。スイッチ操作を行うと数秒間だけそのギアにホールドされ、それ以降は自動的にオートモードに復帰する。なので操作するときはほとんどがシフトダウンであり、アップの操作をすることは滅多にない。
・流れに沿って走っているとき、前車が速度を落として車間距離が狭くなってきた場合、まずスイッチにてシフトダウンしてエンジンブレーキ。それでもだめならさらにシフトダウン。最終的にはフットブレーキにて停車。このできるだけフットブレーキを使わない手法はヨン様に乗ってから余計に激しくなった。というのもヨン様はブレーキパッド2回交換のたびにセラミックロータを1回交換するという決まりがあり、1回ロータを交換するたびに数百万飛んでいくそうなので、できるだけエンジンブレーキで停まるクセが付いたのだ(^^;) ただ後続車が迫ってるときには追突されると困るので最初からフットブレーキを使うのは当然だ。
・信号待ちから発進するときには、緊急時を除いてゆっくり発進。ただし高速の加速車線では2速くらいに落とし、一気に加速。
・上記以外で普通に走るときはPDKまかせ。PDKは思いっきりエコラン思想で作られているため、隙あらばシフトアップしようとする。よって60km/hくらいになるといつのまにか7速(オーバードライブ)に入ってしまっている。
では上記のような運転状況で何が困るのか?それはTipに比べてエンジンブレーキの効きが悪いことである。
初めてAudiTTに乗ったとき、いわゆるDSG付きだったので喜んでシフトダウンしてたら意外なほどエンジンブレーキが効かないことに戸惑った。それは単にTTの仕様だと思っていたら、そうではなくPDKでも同じだった。Tipが5速、PDKが7速というギアレシオによるものなのか、PDKのシステム自体の仕様なのか、とにかく1段シフトダウンしたときのエンジンブレーキがTipとPDKでは全く違うのだ。
たとえば上に書いた前車との距離が詰まった場合、Tipなら5→4に落とすだけでほとんど間に合う。たまに3まで落とすこともあるが。それがPDKだとどうだ、7→6ではその違いがほとんどわからない。あまりの空走感に「あれれ?」と思いつつどんどんシフトダウン。Tip並みの減速感を得るためには7→3まで落とさないといけない。最近では躊躇無く[tegaki]「あたたたたー!」[/tegaki]とシフトスイッチ4回叩きまくるケンシロウ走法だ(^^;)
PDKの最大の利点である「シフト操作をした次の瞬間に、運転手の望むギアにシフトされている」ということだとすると、私の走り方ではほとんどその恩恵にあずかっていないことになってしまう。学習モードが付いているらしいので、毎回ケンシロウ走法をしていると一気に4段落としを学習してくれる日が来るのではないかと密かに期待しているのだが(笑)。またせっかく左右に2個スイッチがあるので、両手を駆使して左右交互に[tegaki]「高速あたたた」[/tegaki]を試してみたが、間隔が速すぎたのか受け付けてくれなかった(爆)
そんなPDKだが、PDKの名誉のために書いておくと「やるときにはやってくれる」。急加速をしたい場合、スイッチを使わずにオートのままで一気にキックダウン位置までアクセルを強く踏み込むと、7→2まで瞬時に落として加速してくれるのだ。これにはちょっとビックリ。このときのロジックは待機していた偶数列が6ではなく2をダイレクトに選択したのであろうか?考えすぎると夜も眠れなくなる(^^;)