日本の神々 その6

天照大神の孫ニニギとコノハナサクヤヒメが結婚して産まれたのが、海で漁をする海彦(兄)と山で獣を取る山彦(弟)である。あるときお互いの道具を取り替えてみようということになったが、山彦は兄から貸してもらった釣り針を無くしてしまう。兄に釣り針を返せと責められて海岸で泣いていると、海の神が現れ海の中の宮殿へ連れて行ってもらった。山彦はそこで海の神の娘である豊玉ヒメと出会い結婚する。幸せに宮殿で暮らしていた山彦は、ある日釣り針を思い出す。海の神はそれを探しだしてくれてさらに潮の干満をコントロールする玉を土産にくれた。ちなみに釣り針は鯛に引っかかっていたそうな。
陸上に戻った山彦は兄に釣り針を返し、ついでに潮コントロール玉によって海彦に復讐してギャフンと言わせる。今後は自分の言うことを聞くようにと約束させた。この山彦と豊玉ヒメを奉ったのが宮崎の青島神社である。
さて「私はあなたの子を身ごもった」と豊玉ヒメが亀に乗って海の中からやってきた。産気づいたヒメは「決して私の姿は見ないで」というが、やはり山彦はこっそり覗いてしまう。豊玉ヒメは巨大なワニとなってのたうち回っていた。見られたヒメは恥ずかしくなって子供を置いたまま海の中へ帰ってしまう。この話でもわかるように豊玉ヒメは竜宮城の乙姫様のモデルだと言われている。

そして生まれた子供は順調に大人になり4人の子供をもうける。その末っ子が神倭井波礼昆古(カムヤマト イハレビコ)、のちに最初の天皇である「神武天皇」となる。