日本の神々 その5

オオクニヌシから国を譲ってもらった天照大神、本当は自分の息子が下って統治するはずであったがオオクニヌシとの交渉が長引いたため息子に子供が出来てしまった(天照大神の孫)。この孫は邇邇藝(ニニギ)といい、天照大神の孫が地上に降り立ったので「天孫降臨」という。場所は「筑紫の日向の高千穂」と記されており、宮崎とも鹿児島ともいわれている。
地上に降りるに際して、天照大神は数人の付き添いの神を派遣した。その中にはあの天照大神が岩戸に隠れたときに裸で踊り狂った「アメノウズメ」も含まれている。また勾玉・鏡・草薙の剣、いわゆる三種の神器を持たせた。この中で最も大事なのは、岩戸の前で天照大神を引きずり出したという鏡である。これは伊勢神宮のご神体として奉られている。

さて高千穂に下ったニニギ、とても美人の木花之佐久夜日売(コノハナサクヤヒメ)と出会う。嫁に欲しいと彼女の父に言うと、ポテトもどうぞといわんばかりに姉の石長比売(イワナガヒメ)も一緒に嫁がせようとした。ところが姉はブサイクだったため、ニニギは彼女を返品しコノハナサクヤヒメだけいただいた。姉妹の父は「コノハナサクヤヒメと一緒になれば花のように華やかな暮らし、イワナガヒメと一緒にあれば石のように永遠に変わらない暮らしを願って二人ワンセットにしたのに、イワナガヒメを拒否してしまった。それによりニニギ様の寿命は限りあるものとなるだろう」と言った。これは神の子である天皇の寿命が有限であることの由来となった。

そしてコノハナサクヤヒメは一夜にしてご懐妊。ニニギは「そんなはずはない、わしの子供ではないだろう」と疑う。姫は「もし神であるあなたの子供でなければ、無事に生まれてこないだろう」と反論。なんだかマリア様がイエスを宿したときの話と非常によく似ている。ヒメは産屋を作って中に籠もり、産まれる寸前にその産屋に自分で放火した。ごうごう燃える火の中から3人が無事に産まれたため、神の子であると証明することができた。そのためコノハナサクヤヒメは安産の神として信仰され、富士山の浅間大社に奉られている。
この産まれた3人の中に、海彦・山彦がいる。この話はまた次回に・・・